最強のふたり、フランス映画。実話をもとにしていて、話に派手な展開はなかったけれど、かなりおもしろかった。ただ、身障者をからかうような会話が頻出するのは嫌な人もいるかもしれないなーなんて思いながら見てた。まあそのへんは個人的にはあまり気にならなかったし、なによりラストがとてもきれいに落ちていて、「映画はオチがすべて原理主義」のゆきやんとしては、この映画はすごく評価できる。ただ、だからこそ余計に気になった点が1つ。


以下ネタバレあるよ







フィリップが文通相手の女性と初めて会おうとしたところのくだり。

フィリップが助手か介護士かのイヴォンヌ(だったかな)と一緒に待ち合わせの店に来て、イヴォンヌに「今何時か」と聞いてイヴォンヌは「4時45分」と答える。ちょっとしたやりとりの後でまた「何時か」って聞いて、「46分か47分。時間はそんなにすぐは進みませんよ」という会話。そしてフィリップは緊張からか、ウイスキーを何杯も注文し、イヴォンヌに心配される。
それから主人公のドリスが母親がビルの窓ふきをして懸命に働くところを遠くから見る描写に切り替わったりして、また店で相手の女性を待つフィリップのシーンになってから次のやり取りがあった。

フィリップがドリスに電話して
フィ「遠くに行きたい」
ド「理由は聞いてはダメなんだな?」
みたいな会話のあとで、相手の女性が来ていないのにフィリップは店を出ようとする。一緒にいたイヴォンヌが、「まだ18時...」(字幕ママ) と言うが、フィリップはその言葉を途中で遮って、店を出ていく。

この瞬間、自分の中で2通りの考え方ができた。
1.相手の女性はこなかった(または遅れた)
2.フィリップは待ち合わせの時間の前に店を出てしまった


で、そこからの続きを、1の「女性は来なかった」の解釈で見てた映画のラスト(このラストはとてもとてもよかった!)。ドリスがフィリップのために海の見えるレストランでの昼食をセッティングして「俺は一緒にはランチを食べない」と言って席を立ち、「どういうことだ」って言うフィリップに対して

「今度は逃げるなよ」

と言い残して立ち去ってしまう。そしてドリスと入れ替わりに、文通相手だった相手の女性がフィリップの前に現れる・・・っていう本当にすごくいい場面。

「今度は逃げるなよ」
つまり、
フィリップは一度逃げた
つまり、
2.フィリップは待ち合わせの時間の前に店を出てしまったが正解

確かに、フィリップが店を出るのと入れ替わりに女の人が慌てて店に入っていってたし、イヴォンヌの「まだ18時...」のセリフは、待ち合わせの18時にまだなっていないのに帰ってしまうんですか?と補完できるけど、待ち合わせ18時なのに16時45分にスタンバイするか?っていう先入観で、イヴォンヌのセリフの続きを「まだ18時だから、もうちょっと待ってみませんか?」と勝手に解釈してしまった。
で、どうしても「まだ18時...」が気になって字幕じゃなくて日本語吹き替えで一連のシーンを再度見てみたら、吹き替えの方が勘違いしなさそうな感じだった。そういえばなんか全体的に字幕が怪しいとは思ったんで、字幕制作がちょっと・・・ってことだったのかもしれない。フランス映画でフランス語だったんで、英語だったらまた違った見方ができたカモ。日本語タイトルの「最強のふたり」っていうのも、内容を見てしまった今ではそれでよかったのかと感じるし(原題はIntouchables)。

ぐぐったら同じように間違って解釈したまま見てた人もいたんで、映画の監督がそこはもうちょっと分かりやすく描写できたんじゃないかとも思ったけど、なんとなく狙ってそいういうセリフまわしにしたような気もしてる。

そこだけ気になったんでいろいろ書きましたが、全体はおもしろかったです。8.5点。ラスト10分は10.0点。

コメント

nophoto
ミサ
2014年11月25日13:13

フィリップと待ち合わせした女性は店の外ですれ違ってます。

nophoto
ミサ
2014年11月25日13:15

私もこの作品好きです。

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