■以下、やや長文

ネット界隈でちょっと話題になってる話。

http://kita.dyndns.org/diary/?date=20101113

http://kidsnote.com/2010/11/15/35or53/


■発端

小学2年生の算数のテストで、次のような問題が出題された。

さらが5まいあります。
1さらにりんごが3こずつのっています。
りんごはぜんぶで何こあるでしょう。
(しき)
(こたえ)

ある生徒が、次のように答えた。

(しき)5×3
(こたえ)15こ

先生は、(しき)に×をつけ、(こたえ)にをつけた。

■拡散

これに対して、「式あってるじゃん」という意見と、「この式は間違いだ」という意見と、「せめて△だろ」とか、「こんなことされたら子供は傷つくよな」とか、とにかくいろいろ入り乱れ、結局どうなんだというのが現状。

■論点

この話は途中から論点がずれてる気がする。

今の論点:皿が5皿ある。1つの皿に3つずつりんごが乗っている。全部でいくつか。という問いに、5×3と式を立てるのは間違いか。

というところから、「5×3は数学的に間違いだ」と言う教育現場の人間が出てきて、それに対して「5×3でも数学的に間違いじゃない」といろいろ引っ張り出して反論する人が出てきて、泥仕合を展開している。そしてどうやら、数学的に5×3の立式は間違っていないとの論調が現在は優勢のようだ。
しかし、そもそもの問題はそこじゃないだろう。

スタートの論点:皿が5皿ある。1つの皿に3つずつりんごが乗っている。全部でいくつか。という問いに、5×3と式を立てた生徒の答えに、×をつけた先生の行為は妥当か。


■私見

私見だが、常識的に考えて(この先生が普通の先生だとして)、この先生の行為は全くもって妥当であると推測される。先生は日常の授業で、生徒が初めて習う概念である掛け算を、順序だてて教えたはず(かける数、かけられる数、かける数とかけられる数の掛け算における順番、それが数学的に正しいかどうかはあまり問題ではなく)で、テストとは生徒に教えたことがきちんと理解してもらえたかどうかを確認するための一種のツールである。そこで教えたとおりに解答されていなかったら、先生は「この生徒は自分が教えたことが理解できていないのかもしれない」と判断せざるをえない。そこから、理解できていない生徒に対するフォローが発生する。

先生からしてみたら、5×3を○として、この生徒へのフォローをスルーしてしまうことこそ、真に恐れるべき事態であろう。フォローの結果、この生徒がきちんと掛け算を理解できているならそれでいい。そもそも、わざわざ問題文が、皿が5枚あります〜という文言から始まっているのは、「生徒がきちんと教えたとおりにできるかどうか」を文字どおりテストするためのものだと推測する。
経験上、先生がテストで重視するのは正答ではなく誤答だ。先生側からすれば、「自分が教えたとおりに解けるかどうかを見て、現在の生徒の理解状況を確認する」のが確実なのだ。もちろん「先生が教えた方法とは違うアプローチから理解を深めた生徒」が出てくるかもしれない。しかし、それはまた別の話で、そんなのは個別に対応すればいいだけのことだ。
とにかく、40人を相手にしないといけない先生からすれば、個別論よりもまず全体論を考えなければならない。自分が教えたとおりにできるかどうかで生徒の理解状況を確認することは、はたして一方的に非難されるようなことだろうか。

以上のことから、この件に関する私の考えはまとめると次のとおり。

5×3を誤答とすることで、掛け算の理解が不十分かもしれない生徒へのフォローを行う。したがって、5×3という教師が教えたとおりではない立式には×をつけた、全くもって妥当。

■生徒は先生の言うとおりに踊らないといけない人形なのか!とかいう批判

生徒1人に先生1人とかいう素晴らしい教育体制なら、その批判はもっともだ。そこまで完璧な教育体制なら、その生徒にあった教育方法を採用できるだろう。いや、むしろ生徒1人に先生1人だと、生徒は先生の言うとおりに踊りだすかもしれない。とにかく、現状はそんなことは言ってられないわけで。40人の生徒の理解状況を把握しながら、理解できていない生徒がいたらフォローしなければならないし、それでも教科書は進めなければならない。そんな現場のことも想像しないで、断片的なネットの情報(写真1枚)から、「ほら見たことか、今の教育現場はダメだ、この教師はなってない!」とかもうね。
日本の教育は子供の個性を殺すひどい教育で、北欧ののびのびとした教育体制が羨ましいというのなら、いい提案がある。それは「ゆとり教育」と言って(ry

■言いたいことまとめ

木を見て森を見ず、断片的な情報から叩かれてちゃ、日々骨身を削って生徒と接している先生たちも大変だろう。中には叩かれて当然のダメ教師もいるんだろうけど、それはまた別の話。

ま、かくいう私もほぼ推測でモノを言ってるだけなんですけどね。

コメント

紅き月夜
2010年11月18日10:33

こ・・これは・・・
すごく良くわかる気がするw
途中の式を暗算で飛ばしたりしているから、よく減点されたな~
結局は自分の計算や考え方が合ってるのを分かっていたから、修正する気がなかったけどさ。
小学生の時には、教科書と違うような求め方をしていたらむしろほめられたような?記憶があるな。

ゆき
2010年11月18日16:30

う〜ん( ̄〜 ̄;)

答えが合っていても、その過程が間違いならば、答えも間違いかな。

mtgでもボドゲでも、論理的な思考があっての答え(プレイング)だと思う。

まぁでも掛け算は、5の段の方が簡単だし…

3の段、難しいし…

よその国に行ったら、11の段とかあるし…(´Д`)

まぁそんなとこで。

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