衆院選直前スペシャルみたいな位置づけかな。

さて、日本の財政危機についての議論のところを聞いてて色々思ったことについて。まず、国債30兆円以内を公言していたにも関わらず、それを破った上に「そんなことたいしたことない」と言った総理大臣。小泉さんが総理になってから、発行残高は3年で180兆円ほど増えてる。そのことに対する某有名自民党参議院議員のセリフ。

「小泉総理でなかったら、もっと増えてる」

おいおい、180兆円増えたのは事実でしょうが。もし小泉総理でなかったらいくら増えてたかなんていう分かりえない空想を持ち出して180兆円増加した事実から国民の目を逸らそうなんて、議論のすり替えじゃないですか?

で、今回の朝生で一番興味深かったのは、国の国債残高が780兆円くらいあることへの対処に関する討議。あるパネリストが、「780兆円の借金を返すのに、年間予算を2兆円とか3兆円とか削っても仕方ない」風なことを言ってました。

さて、単位が兆円とかで分かりにくいところがありますので、分かりやすくおきなおしてみましょう。現在日本の国家予算が年間82兆円(平成17年度)。これを820万円とします(1000万分の1)。

さて。1年間の収入は820万円ですが、実はこのうち340万円ほどが借金(国債発行による歳入)です。ということは、この家庭の実質の年間収入は480万円ほどです。日本における一般的な数字ですね。で、この家庭480万円を自由に使えるかというと、そうでもありません。そう、この家庭はなんと収入は一般的なのに7800万円もの莫大な借金があるのです。この借金を返したり利子を支払ったりしなければならないので、年間200万円近くが必要となります。この家庭が借金をすることを完全にやめた場合、1年間に280万円しか残りませんし、さらに7800万円の借金を返しきるためには1年に返す額を増やさなければなりません。

そんな中で、歳出を削減して2兆円とか3兆円の無駄をやめましょう!とか言う台詞が一体何を表すのか。単位変換で2兆円がいくらになるかというと、20万円です。つまり、国の借金の問題に対して、「歳出の無駄遣いをやめて2兆円を浮かしましょう」というのは、

7800万円の借金を抱える年収280万円の家庭が、光熱費を節約して年間20万円ずつ借金の返済に充てる

それくらいのことにしかならない、ということ。ザ・雀の涙。

こうなると歴史的には、戦争か(すっごいインフレがおきて)革命しかないらしいのですが・・・。おお、だから憲法9条を変えるのか。なるほど。

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索